ドスパラの10.1型Windowsタブレット DG-D10IW2

6年前に購入したサブPC、NA801が逝ってしまったため代替機として DG-D10IW2 の Windows 8.1 モデルを購入。店頭アウトレットで2.6万。

スペックや使用感はネットにいろいろと情報があるので、電源を入れた後最初にやっておくべきバックアップやWindows 10へのアップグレードについて記載する。

USB回復ドライブを作成する

Windows 10 へのアップグレードも考えて、まずは何があっても初期状態に復元できるよう、回復ドライブを作成する。
4GBのUSBメモリを用意する。後述するUSBメモリのバックアップを行う場合、できるだけ小さいサイズ(4GBないし8GB)がお勧め。microSDHCにも作成できるが、内臓のカードリーダからはbootできないため別途USB接続のカードリーダーを用意する必要がある。

http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows-8/create-usb-recovery-drive

USB回復ドライブを作成したら、USBメモリの破損に備えてバックアップを取る

[USB Image Tool]などでUSBドライブのイメージを別のパソコンのハードディスクへコピーする。
USB Image Toolのオプションの[Create MD5 checksums...]にチェックしておくと、ファイルのチェックサムも一緒に生成してくれる。

回復ドライブのサイズは3.6GB程度。このバックアップではUSBメモリのサイズと同サイズのファイルができる。
USB Image ToolでCompress Image File Format(.imz)で保存するか、自分でZIP圧縮することでサイズを小さくできる。

再セットアップを試す

作成したUSB回復ドライブから問題なく再セットアップができるか試す。あえてしなくてもいいが、避難訓練みたいなもの。

実際やってみて、USB回復ドライブからの回復と、元から内臓ドライブに作成されている回復ドライブからの回復とで手順が若干違うことがわかった。

まずはUSB回復ドライブとUSBキーボード(BluetoothはNG)をタブレットに繋げる。インストール中Bluetoothは使えないのでUSBハブが必須か。

電源ボタンを長押しして電源が入ったら、ボリュームのマイナスボタンを押す。
Diginnosロゴが表示されたタイミングで押してあればOKですが、電源ボタンとボリュームを同時に押しっぱなしにすると電源が入らないようなので注意。

起動ドライブ選択画面が表示されるので、USB回復ドライブのUSBメモリを選んでEnter。

あとは画面に従って キーボードレイアウトの選択(IME)→トラブルシューティング→PCを初期状態に戻す、でOK。

なお、USBメモリから起動した場合には、「PCドライブのパーティション分割をやり直しますか?」という質問が出る。

はい、ドライブのパーティション分割をやり直します。
いいえ、これまでのパーティションをそのまま使います。

いいえ、を選ぶとUSBメモリから起動した場合にはそれはできません的なことを言われるため、はいを選ぶしかない。

また、USBメモリから回復した場合のみ、再インストール中に以下のメッセージが表示された。

A configuration change was requested to clear this computer’s TPM (Trusted Platform Module)

WARNING: Clearing erases infomation stored on the TPM. You Will lose all created keys and access to data encrypted by these keys.

Press F12 or Volume Up to clear the TPM
Press ESC or Volume Down to reject this change request and continue

WARNINGでは、暗号キーを初期化しちゃうので今のキーを使って暗号化していたドライブは使えなくなりますよと言っている。
Cドライブや回復ドライブ、つまりもとから内臓されていたドライブは、どのみち再セットアップで消去するので問題ないと思われるが、特に初期化する必要もないため「Press ESC or Volume Down...」を選ぶ。
(再セットアップでTPMをクリアするのはセキュリティ観点での推奨ぽい。クリアしなくても動作に支障はない様子。)

セットアップ中の「オンラインに接続」は「この手順をスキップする」を選択することをお勧め。

無線LANは 11n 150Mbps でリンク。実行速度はLAN内のマシンに32Mbps、Speedtestサイトに50Mbps。なぜかLANのが遅い。

Microsoft以外のドライバーを [Glary Utilities] でバックアップしておく。ちなみにASCIIの記事では [Double Driver] が紹介されているが、たまたま作業時にダウンロードができなかった。記事で実績のあるDouble Driverをお勧めする。
http://www.forest.impress.co.jp/library/software/doubledriver/

あと C:\windows\inf\touchsetting.gt もバックアップしておく(Windows 10クリーンインストールで使用)

Windows 10 アップグレードの準備

DG-D10IW2のWindows 10へのアップグレードはASCIIの記事がとても参考になる。
ただ記事では Windows 10 のTechnical Preview版を使っているためか、リリース版でやってみると若干の差異があった。

ascii.jp

まずはWindows 10 のメディア作成ツールをダウンロード
http://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10

インストールメディアを作成(3GB以上のUSBメモリ)

Windows 8.1Windows 10にアップグレード

結論から言えばタッチパネル、ホームボタン、Wifi、SDカード等特に問題なく使えてる様子。
気のせいか8.1よりもタッチパネルの反応がいい気すらする。起動時間は8.1で測るのを忘れたが、10だと電源ボタン長押し5秒+15秒程度。

ASCIIでは「圧縮されたオペレーティングシステムを利用しているため...」のメッセージが表示されアップグレードができなかったと書かれているが、その現象には出くわさなかった。TechnicalPreview版から改善されている可能性、もしくはこのとき「デバイスの暗号化」を解除した状態でアップグレード作業を行った可能性(記憶があやふや)がある。
デバイスの暗号化解除は[設定]→[PC 設定の変更]→[PC 情報]の最下部。

「すぐに使い始めることができます」画面が表示されたら、簡易設定もしくは「設定のカスタマイズ」で詳細なカスタマイズを行う。
設定項目が1画面に収まっていないことがあります。下にスクロールできるかどうかは、見た目ではわからないのでスライドして確認。

アップデート後、今後のクリーンインストールのためにWindows 10 のプロダクトキーをメモする。プロダクトキーの確認は次のどちらかがお勧め。

フリーソフトを使う
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0512/20/news104_2.html

バイナリが不安な場合
http://ameblo.jp/urawaza7/entry-10574273741.html

アップグレードすると、450MBの回復ドライブが追加で作成され、その分Cドライブに割りあてられる容量は減る。
Cドライブの空きは11GB程度、メモリの空きは810MB程度。

なお、アップグレード後、31日間は元のバージョンに戻す(Windows 10をアンインストールする)ことができるが、新しいユーザを追加したりシステムファイルのクリーンアップ等で以前のバージョンの情報(Windows.oldフォルダ等)が削除されると戻せなくなるそうだ。

そこで一つ疑問が。
バージョンアップによりWindows 10のラインセスが新しく払い出される。
当然古いWindows 8.1のライセンスと同時に使うことはできないわけだが、Windows 10をアンインストールすることができない状態になったときにWindows 8.1に戻すことはできるのだろうか?

そこで試しにWindows 10をアンインストールせずに、Windows 8.1クリーンインストールしてみる。

Windows 10 アップグレード後にWindows 8.1クリーンインストールする

Windows 8.1 のUSB回復ドライブで起動。
[PCを初期状態に戻す]の後対象のOSを選択する部分では[Windows 10]を選ぶ(シングルブートなので選択肢は一つ)。

結果、インストールもでき、オンラインでのライセンス認証も完了し、初期状態まで戻すことができた。
これなら安心してWindows 10へ移行することができそう。

Windows 10 クリーンインストール

作成したUSBメモリからBootする。
セットアップ前にプロダクトキーの入力を求められる。

クリーンインストールのため、インストールの種類は[カスタム]を選ぶ。

Windows 8.1を残したままでもインストール可能だが、今回はすっきり削除する。

Ctrl + F10 でコマンドプロンプトを立ち上げる。

diskpart
list disk
select disk 0
list partition
select partition 3
format quick fs=ntfs override

(overrideオプションはBitLockerがかかっているとき用)

インストールが終わったら、Windows 8.1からコピーしておいたドライバーをタブレットの適当な場所にコピー。

デバイスマネージャから不明なデバイスを右クリックし、[ドライバーソフトウェアの更新]→[コンピューターを参照してドライバーソフトウェアを更新します]→[次の場所でドライバーソフトウェアを検索します:]にその場所を指定して一つづつ更新していった。
※今回は手作業で復元したが、バックアップに使ったツールでの復元をお勧め。

Windows 8.1からコピーしておいたドライバーうち、Intel(R) Dynamic Platform and Thermal Framework 関連のドライバーがインストールに失敗してしまう。原因調査の前にDG-D10IWのドライバーを試したらインストールできたので、気持ち悪さはあるもののとりあえず様子を見ることに。(ASCIIでは問題なかったよう。手作業でのドライバ更新か、Glary Utilitiesを使ったことによる違いか)
http://faq3.dospara.co.jp/faq/show/2325

タッチパネルのドライバをインストールしたら、Windows 8.1 からコピーしておいた touchsetting.gt を C:\windows\inf\touchsetting.gt に保存し再起動。

クリーンインストール後Cドライブの空きは17GB、メモリーの空きは1.1GB程度。

後は普段利用の環境を構築していくだけ。

(9/14 今更ながらにASCIIの記事を見つけ、いくつか加筆)